回転性めまいと高音の耳鳴り 鍼灸治療の症例

2016年11月7日

 

患者

男性 30代 愛知県名古屋市緑区

 

来院

2014年2月

 

症状

2013年の年末にキーンと高音の耳鳴りとめまいがおこる。
翌年1月6日にグランドで指導中に回転性めまいがおこり、
気を失って大学病院に救急車で運ばれ1月22日まで入院
入院中はステロイド点滴と鼓室内ステロイド注射を4日間行い、
アデホスコーワ、メチコバール、メリスロンを処方され退院後も処方が続いた。
入院中、耳鳴りのことや仕事のことなど不安をおぼえストレスを感じるようになり
なかなか眠ることができなかったのでアモバンを処方された。
症状があまり変化しなかったことに満足できず、
入院中に当院を予約し退院したその足で当院を訪れた。

 

同時に治療した症状

鼻炎、首・肩のコリ

 

治療の内容と経過

倒れる前はどのような生活を送っていたかと話を聞くと、
通常の仕事のほかに休みの日を使って子供たちにスポーツの指導をしていたとのこと
10年ぐらいこのような生活を送っていたので、体調を崩して入院したことに対して
非常にショックを受けたとのこと。
めまいと耳鳴りのほかに強烈な首や肩のコリがあり、間接的な原因となると関係を疑った。
話を聞いていくうちに季節性の花粉症があり、慢性鼻炎のような症状も少なからずあるとのことで
鼻炎がめまいと耳鳴りの引き金になったのではないかと考え、鼻炎の改善と内耳と中耳の改善、
首周りの筋肉の緊張やコリを改善する治療を主に行った。
症状の改善は回数を要したが、鍼灸治療を始めた3か月は週2回の治療を行い、
症状が改善され安定してきた1週間に1回→2週間に1回→3週間に1回というように
治療間隔を伸ばしていき、現在は耳鳴りとめまいが起こらないように
日常の疲れや筋肉のコリなどをほぐすメンテナンス治療として行っている。

 

主に使用したツボ

耳(3か所)、鼻(3か所)、のど(2か所)のツボ
首、肩、背中の筋肉の緊張を緩めるツボ
内臓関係の働きを改善させるツボ

 

考察

耳・鼻のツボの状態が改善するにつれてめまい症状と耳鳴りが改善していった。
平衡感覚や聴覚などの感覚器のトラブルは肉体的なストレスだけでなく、
精神的なストレスや苦痛を誘発することを再認識させられた。
肉体的なストレスが改善され頭、首、肩、背中の筋肉の緊張も和らいでいくと
本人が日常生活を送る上でのストレスがなくなりQOLが著しく向上した。
また、肉体的向上が精神上の安定をはかり徐々に自信を取り戻していくことができた。

 

 

 

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